乾しいたけについて

乾しいたけ「どんこ」の美味しさ

乾す事でおいしさ10倍!!乾燥の段階で細胞が壊れることによって、しいたけの旨味成分に酵素が働き、美味しさが増すことが明らかになっています。
水戻しして、調理加熱することで酵素が動きはじめ、グアニル酸といううまみ成分が約10倍に増えるのです。
乾しいたけが伝統食品として千年も前から食べ続けられてきた最大の理由がこの美味しさにあるのです。

乾燥椎茸は、色、香り、形状、大きさの良し悪しで価格が大きく違いが出ます。
基本的な椎茸として天白冬菇、茶花冬菇、冬菇、撰、香信が御座います。

天白冬菇(てんぱくどんこ)

傘の表面が白い花模様のようになっており、割れ目がしっかりしているが、椎茸の中で最高峰の高級品として扱われています。古来より中華圏の人達からも全国の品評会でも金賞を受賞する椎茸は天白冬菇となっております。

茶花冬菇(ちゃばなどんこ)

傘の表面が茶色い花模様のようになっています。こちらも天白冬菇と同じで肉厚な椎茸の証拠になります。天白冬菇、茶花冬菇ともに、この冬菇は寒い時期でじっくりと育ち、表面が爆ぜて亀裂が入っているのが特徴です。

冬菇(どんこ)

形状が丸く、椎茸の輪が大きく巻き込み、傘の肉は厚く、大変歯ごたえが良く、旨味も沢山含んでいます。 その為、煮込みもの等に使うと大変美味しく召し上がれると思います。


撰(より)

冬菇より薄く、椎茸の輪が回っており、傘が完全に開ききってしまわないうちに取るものです。冬菇に比べて椎茸の香りが強く、旨味と香りを持っていますので、輪が回っているので見た目としても良くおせち料理などで使用されております。

香信(こうしん)

傘の肉厚感は薄く、傘が開ききってから収穫されたものです。変形しているものもありますが、名前の由来通り「香」とついておりますので、椎茸本来の香りが一番強い椎茸となっております。みじん切りで使う場合が多いです。


椎茸はどれが美味しいの?

椎茸の種類を大きく分類すると、3種類あります。
「どんこ」「こうこ」「こうしん」です。

「どんこ」とは

椎茸の傘部の開き具合が少なく、縁が内側にしっかり巻いている状態のものをいいます。(花で言えばつぼみの状態です。)


「こうこ・こうしん」とは

つぼんだ状態の「どんこ」椎茸が成長すると傘部が開いてきます。半ばほど開いたものを「こうこ」といい、開ききったものを「こうしん」と言います。椎茸は、傘部が開くと傘部の内側のヒダから胞子を出し繁殖しようとします。
花で言えば種と同じ役目ですが、その胞子が出てしまうと味も美味しくなくなりますので、つぼんだ状態の「どんこ」椎茸が美味しいと言えるでしょう。



原木栽培と菌床栽培

椎茸栽培は、原木栽培と菌床栽培の2種類の方法によって行われています。
原木栽培は栽培当初より行われてきた方法で、原木(長さ90cm~120cm)に穴を開けて種菌を打ち込み、1~2年間、森林の中など自然環境下において菌を蔓延させてから椎茸を発生させます。肉厚でしいたけ本来の香りや歯ごたえが強いのが特徴です。
菌床栽培は、10年ほど前から始まった方法で、オガコに水と米ぬかなどの栄養剤を加えて固めたものに種菌を接種し、3ヶ月ほど空調設備などを備えた施設内において菌を蔓延させてからしいたけを発生させます。色や形が一定で味もマイルドという特徴があります。


菌床栽培

原木栽培


生しいたけと乾しいたけ

生しいたけは野菜として流通していて八百屋さんの取り扱い。 生しいたけは一年を通じて流通量を安定させるために菌床栽培が多く、収穫期が限定され一時に大量に採れる原木栽培の生しいたけは貴重です。味がマイルドで形や大きさが一定の菌床栽培もの、肉厚で香りや歯ごたえが強い原木栽培とそれぞれ特徴があります。お料理によって使い分けるのが上手な使い方です。

乾しいたけは乾物なので、乾物屋さんの取り扱い。昆布やかつお節と並んで乾しいたけは定番商品です。乾しいたけは戻す手間がかかりますが、香りや旨味の成分が生椎茸を上回るという特徴を持っています。また、上手に戻すと、しいたけの味はもちろんのこと、非常に美味しい「だし」が取れます。

生しいたけを乾すと乾しいたけになります。

なぜ、手間暇をかけ乾かすというと、保存食ということもありますが、実はそれ以上に旨味が増すからです。旨味成分のグアニル酸量が、生しいたけよりも多いのです。香りも同じような仕組みで、生しいたけに含まれているレンチニン酸が、乾しいたけでは加熱するとやはり酵素が働き、レンチオニンという香り成分が生まれます。旨味や、香りが増すのは、他にも乾し鮑や、ふかひれ、貝柱などがあります。乾しいたけのもうひとつの優れた点は、ビタミンD を豊富に含んだ食品であることです。調理する前に20分~30分間、太陽の光に当てるだけでビタミンDは千倍以上に増えます。



しいたけの成分

しいたけは、炭水化物(糖質と繊維質)とタンパク質が主な成分となっていますが、
カルシウム、鉄分などの無機質やビタミン類なども含まれています。
ビタミン類を見るとビタミンB群についてはレタスの2倍以上含まれています。

しいたけの耳より情報

乾しいたけには、ビタミンB群や骨を強くするビタミンD、腸内を掃除する食物繊維が豊富に含まれています。
また、コレステロールを低下させ動脈硬化を防ぎ、風邪の予防効果についても注目されている食品です。
乾しいたけを戻す前に20~30分間、日光にあててみてください。ビタミンDが増えてカルシウムの吸収を促進します。
乾しいたけ1~2枚をコップの水で一晩かけて戻し、そのエキス(戻し汁)を飲めば、 血圧を下げる効果があるといわれています。